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【取材日記】vol.11 ゼットン社長・稲本健一さん

投稿日時:2007/05/24(木) 15:53rss

 取材日記は「月刊 経営者会報」編集部員が、おもに中小企業の経営者の方への取材を通じて、感銘を受けたこと、ユニークな取り組みだと感じたことなどを綴るコーナーです。
 今回は、経営者会報6月号対談記事『波頭亮の経営New Wave』にご登場いただいた、ゼットン社長・稲本健一さんにまつわるエピソードです。

     ◇     ◇     ◇ 

 出店する27店舗すべてが、その都度、それぞれ別業態という、多店舗展開する飲食業者のなかでも異色の存在が稲本さん率いるゼットン(名古屋市)です。
 
 大手のレストランチェーンやハンバーガーチェーンに見るように、多店舗展開する業者は一つの業態をまったく同じオペレーション、サービスで提供するのが普通ですし、多業態を展開する場合も、何パターンかで出店しているだけで、それは単に多角化といえます。
 
 稲本さんの場合、その立地やスペースに合ったお店をその都度、開発してこられたわけで、これは大変です。そのオリジナリティあふれる店舗開発は過去、そのほとんどが稲本さんのアイデアに基づいています。
 
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 稲本さんは、古都・金沢で生まれ育ち、名古屋造形芸術短大へ進み、卒業後はプロダクトデザイナーへ。その傍ら、夜は高校時代からほぼずっとバーテンダーのアルバイトをしてこられたそうです。稲本さんの天分はこのような経験、環境で培われたのでしょう。
 
 バーテンダー兼デザイナーとして、趣味で知人のお店づくりを手伝ううち、仲間同士でオープンしたお店が大繁盛。稲本さんは、「お金儲けじゃなくて、自分たちのクリエイティビティーを証明したくて、会社組織にしたんです」と、おっしゃいます。
 
 ただし、お店づくりで稲本さんが何よりも重視するのはヒトです。同社の場合、店舗のプランニング部門は花形部署で、そのメンバーになるのが多くの社員さんにとって目標になっているそうですが、店長を任されスタッフを引っ張った経験のある人にしか、その資格はないそうです。
 
 ご自身が現場でたたき上げて、現場そのもの、スタッフの自主性に任せることを重視しておられたからこそで、そうした稲本さんの姿勢がまさに同社の成長の源といえます。これは、飲食に限らず、どのようなビジネスにおいても、参考度が高い施策といえるでしょう。
 
 近年は名古屋テレビ塔、徳川園など公共施設にも出店し、公共施設に付随する存在だったそうした場所の飲食店をむしろ集客施設に変え、自治体からは大きな期待が寄せられているそうです。地域貢献の新たなあり方を示しつつある、同社の今後に注目したいと思います。
 
     ◇     ◇     ◇ 


■ゼットン http://www.zetton.co.jp/
■関連記事が「月刊 経営者会報」6月号に掲載されています。

 (編集部・酒井俊宏)



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*「月刊 経営者会報」は中小企業経営者の皆様のためのブレーンです。詳細・ご購読に関しては http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm をご参照ください。

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