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【取材日記】vol.2 日進乳業社長・水野光さん

投稿日時:2006/03/29(水) 15:34rss

 取材日記は「月刊 経営者会報」編集部員が、おもに中小企業の経営者の方への取材を通じて、感銘を受けたこと、ユニークな取り組みだと感じたことなどを綴るコーナーです。

 今回は、経営者会報4月号の「シリーズ告白」という連載記事で取材をさせていただいた、アイスクリームやお菓子をOEM生産し、ナショナルブランドを支えておられる日進乳業・水野光(こう)社長にまつわるエピソードをご紹介します。
 
 「シリーズ告白」は、窮地に陥った社長さんが、そこからどのようにしてリカバリーされたかを描き、読者の方々に共感を抱いていただきつつ、参考にしてもらうという記事です。
 
 水野社長が先代の跡を継がれて社長に就いた翌年(2000年)の9月、東海地方を集中豪雨が襲いました。日進乳業さんの本社のある愛知県師勝町も被害を受け、同社の工場は、床上浸水で操業停止に。1億円を超える損害を受けたそうです。
 
 しかし、水野社長は「被災によって、逆に社内の結束が高まり、同時に社員の皆の素晴らしさを実感した」とおっしゃっていました。
 
 全設備を殺菌消毒して、基盤が壊れた機械は部品を交換しなくてはならず、復興まで2か月かかるといわれた作業を、同社の社員の皆さんは、必死に頑張り、なんと2週間ほどで、全作業を終えてしまったそうです。
 
 しかも、社長の指示を待たず、社員の方々が自発的に段取りを決め、役割分担をしたといいます。力を合わせ、必死に頑張る社員さんの姿を見て、水野社長は、ご自身が思っていたより、ずっと優秀な社員さんであると感じ、感激するだけでなく申し訳なく思ったそうです。
 
 同社の売上は当時の20億円を大きく上回り29億円に。水野社長は、こうおっしゃいます。
 「あのとき、会社の真の底力を見極めることができたことが大きい。会社の力って結局、社員の力ですから」
 
日進

 社長さんが社員の方々を信頼し、そのことで社員の方々も社長さんを信頼する。
 ピンチこそチャンス、とはよく言われることですが、同社はおそらく、今後も、仮に危機があったとしても、必ず糧に変えていかれるのではないかと思いました。
 
 ■日進乳業株式会社 http://www.nisshinnyugyo.co.jp/

(編集部・酒井俊宏)



*「月刊 経営者会報」は中小企業経営者の皆様のためのブレーンです。詳細・ご購読に関しては http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm をご参照ください。

       

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