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【取材日記】vol.5 都市デザインシステム社長・梶原文生さん
取材日記は「月刊 経営者会報」編集部員が、おもに中小企業の経営者の方への取材を通じて、感銘を受けたこと、ユニークな取り組みだと感じたことなどを綴るコーナーです。
今回は、経営者会報5月号の特集記事「社会に貢献してこそ会社は生き残る」で取材させていただいた、都市デザインシステム社長・梶原文生さんにまつわるエピソードをご紹介します。
◇ ◇ ◇
都市デザインシステムは、コーポラティブハウスという、設計やデザイン、施工で自由度の高い、都市型の集合住宅の企画から設計、コーディネートまで手がけています。
同社では、創業時から最低でも利益の1パーセントは社会貢献に使うということを心がけ、近年では、同社だからこそできることで貢献していこうという方向にシフトしました。
なんと2002年には、ベトナムのホーチミン市に、ストリートチルドレンのための施設、「ベトナム・キッズ・アース・ホーム」を、現地の建設業者やボランティア団体と協力して、造り上げてしまいました。ここでは現在、40名の子供たちが暮らしていて学ぶ場も用意されているそうです。
下は、竣工なったキッズ・ホームで撮られた、パーティーに訪れた社員の皆さんと現地の子供たちとの記念写真です。
家はあっても修学機会のない近隣の子供たちもここへ通って学ぶそうです。その数実に約160名といいます。
詳しくは本誌記事をぜひご覧戴きたいと思いますが、こうした国境を越えた社会貢献活動は、社員の皆さんにもよい影響をもたらしているそうです。
なぜ同社がこうした社会貢献に熱心なのかというと、社長の梶原さんが、そもそも、社会貢献活動をしたくて、高校生のときに起業を決意したことに始まっています。三つ上のお兄さんを、ご自身物心ついたくらいのときに交通事故で亡くした梶原さんは、ご両親の悲しみを感じながら成長され、子供が死ぬことほど悲しいことはないと考えるようになったそうです。
最初は医者になろうと思ったそうですが、血を見るのが苦手な自分に気づいて、社会的に成功して、そのうえで貢献していこうと考えたとおっしゃいます。
いま40歳の梶原さんは、20年以上もその思いを貫いてこられたわけで、これはすごいことだと思います。
梶原さんは、そうした活動をしていることをまったく隠しません。協力者を常に求めておられるからです。
「1社だけでは限界があります。賛同して、一緒にやってくださる経営者や企業が増えれば、それだけ大きなことができて、助かる子も増えますから」
以前、実は盛んに社会貢献活動をしている某大企業のトップにお会いしたとき、その方は梶原社長とは反対に、あまり自社でしていることを表向きにしたがらない。その理由を聞きましたら、こうおっしゃっていました。
「いいことっていうのは、あまり自分で言わないほうがいい。黙ってやっていれば、世間がいいほうに解釈してくれるからね」
もちろん理由や動機がなんであれ、社会貢献をすることは素晴らしい、と思います。
でも、自分の会社をよく思われたいという動機のその経営者と、梶原さんのように、ピュアな思いで、人にどう思われようと、困っている人を助けようと行動する方とでは、圧倒的に梶原さんを応援したくなるのは、私だけではないと思います。
その梶原さん率いる都市デザインシステムは、この秋にオープンするテーマパーク「キッザニア東京」(http://www.kidzania.jp/)の運営会社にも出資しておられます。
これはメキシコで成功した、子供たちのためのテーマパークで、子供たちに仕事の楽しさや自分の好きなこと、やりたいことを発見してもらうというものです。詳しくは上記URLをクリックしてみてください。
ベトナムで家のない子供たちを救い、きょう食べるものがない、住む場所がないという国ではない日本においては、子供たちに夢を与える──。そんな梶原さんの夢は、将来、リタイアしたら、世界中の身寄りのない子を集められるだけ集めて、その子たちが生活し、学ぶ場も用意したドミトリーハウスを作ることだそうです。
梶原社長はこうおっしゃいます。
「将来その子たちが医師や実業家、政治家になって、その母国に貢献できたらいいなと思っているんです」
微力ながら、同社と梶原社長を心の底から応援したいと思っています。
◇ ◇ ◇
■株式会社都市デザインシステム http://www.uds-net.co.jp/
■関連記事が「月刊 経営者会報」5月号に掲載されています
*「月刊 経営者会報」は中小企業経営者の皆様のためのブレーンです。詳細・ご購読に関しては http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm をご参照ください。
今回は、経営者会報5月号の特集記事「社会に貢献してこそ会社は生き残る」で取材させていただいた、都市デザインシステム社長・梶原文生さんにまつわるエピソードをご紹介します。
◇ ◇ ◇
都市デザインシステムは、コーポラティブハウスという、設計やデザイン、施工で自由度の高い、都市型の集合住宅の企画から設計、コーディネートまで手がけています。
同社では、創業時から最低でも利益の1パーセントは社会貢献に使うということを心がけ、近年では、同社だからこそできることで貢献していこうという方向にシフトしました。
なんと2002年には、ベトナムのホーチミン市に、ストリートチルドレンのための施設、「ベトナム・キッズ・アース・ホーム」を、現地の建設業者やボランティア団体と協力して、造り上げてしまいました。ここでは現在、40名の子供たちが暮らしていて学ぶ場も用意されているそうです。
下は、竣工なったキッズ・ホームで撮られた、パーティーに訪れた社員の皆さんと現地の子供たちとの記念写真です。
家はあっても修学機会のない近隣の子供たちもここへ通って学ぶそうです。その数実に約160名といいます。
詳しくは本誌記事をぜひご覧戴きたいと思いますが、こうした国境を越えた社会貢献活動は、社員の皆さんにもよい影響をもたらしているそうです。
なぜ同社がこうした社会貢献に熱心なのかというと、社長の梶原さんが、そもそも、社会貢献活動をしたくて、高校生のときに起業を決意したことに始まっています。三つ上のお兄さんを、ご自身物心ついたくらいのときに交通事故で亡くした梶原さんは、ご両親の悲しみを感じながら成長され、子供が死ぬことほど悲しいことはないと考えるようになったそうです。
最初は医者になろうと思ったそうですが、血を見るのが苦手な自分に気づいて、社会的に成功して、そのうえで貢献していこうと考えたとおっしゃいます。
いま40歳の梶原さんは、20年以上もその思いを貫いてこられたわけで、これはすごいことだと思います。
梶原さんは、そうした活動をしていることをまったく隠しません。協力者を常に求めておられるからです。
「1社だけでは限界があります。賛同して、一緒にやってくださる経営者や企業が増えれば、それだけ大きなことができて、助かる子も増えますから」
以前、実は盛んに社会貢献活動をしている某大企業のトップにお会いしたとき、その方は梶原社長とは反対に、あまり自社でしていることを表向きにしたがらない。その理由を聞きましたら、こうおっしゃっていました。
「いいことっていうのは、あまり自分で言わないほうがいい。黙ってやっていれば、世間がいいほうに解釈してくれるからね」
もちろん理由や動機がなんであれ、社会貢献をすることは素晴らしい、と思います。
でも、自分の会社をよく思われたいという動機のその経営者と、梶原さんのように、ピュアな思いで、人にどう思われようと、困っている人を助けようと行動する方とでは、圧倒的に梶原さんを応援したくなるのは、私だけではないと思います。
その梶原さん率いる都市デザインシステムは、この秋にオープンするテーマパーク「キッザニア東京」(http://www.kidzania.jp/)の運営会社にも出資しておられます。
これはメキシコで成功した、子供たちのためのテーマパークで、子供たちに仕事の楽しさや自分の好きなこと、やりたいことを発見してもらうというものです。詳しくは上記URLをクリックしてみてください。
ベトナムで家のない子供たちを救い、きょう食べるものがない、住む場所がないという国ではない日本においては、子供たちに夢を与える──。そんな梶原さんの夢は、将来、リタイアしたら、世界中の身寄りのない子を集められるだけ集めて、その子たちが生活し、学ぶ場も用意したドミトリーハウスを作ることだそうです。
梶原社長はこうおっしゃいます。
「将来その子たちが医師や実業家、政治家になって、その母国に貢献できたらいいなと思っているんです」
微力ながら、同社と梶原社長を心の底から応援したいと思っています。
◇ ◇ ◇
■株式会社都市デザインシステム http://www.uds-net.co.jp/
■関連記事が「月刊 経営者会報」5月号に掲載されています
(編集部・酒井俊宏)
*「月刊 経営者会報」は中小企業経営者の皆様のためのブレーンです。詳細・ご購読に関しては http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm をご参照ください。
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